このページでは、薬の飲み方に関する様々な疑問について説明します。
大人用の薬を子供に飲ませても大丈夫?
大人用の薬を子供に分けるのは少量であっても絶対にNGです。
たとえば、大人用の鎮痛剤(アスピリンなど)を子供に飲ませると生命にかかわる重篤な副作用が現れるケースもあります。
こういった事態を防ぐため、成分によって年齢が制限されているものも多いです。
とくに年齢に制限のない成分で構成されている薬でも、大人用の薬を小児が服用するのがNGです。
注意書きにも「15歳未満は服用しないでください」となっているのに、分割して服用し何か被害があった場合など、用法用量を守っていないことで、副作用救済制度を受けることができなくなるおそれもあります。
食前、食間、食後など、服用の時間はどうして違うの?
薬を飲む際に、パッケージなどに記載の用法・用量に「食前」「食後」や「食間」など細かく服用すのタイミングが定められています。
薬によって服用のタイミングが違っているのは、食事によって薬が吸収される量や速さが変化して、効き目が増減するためです。
薬は食べ物と同様に消化に伴って体に吸収され、各種効果を発揮する仕組みになっています。
また、食事を中心に服用時間を決めることで薬の飲み忘れを防ぐ役目もあります。
なお、頓服(とんぷく)は症状が出たときに随時飲むタイプの薬です。
解熱鎮痛剤などは頓服であることが多いです。
薬を多めに飲むと効果は増すの?
解熱剤などの市販薬は、薬を多く飲んだからといって薬の効果が増すということはありません。
たとえば、解熱剤をどんなにたくさん飲んでも、平熱より低く下げることができないのと一緒です。
逆に、副作用が強くなるだけで非常に危険といえます。
薬は血液中の濃度がある一定の濃度になると効果を発揮するようになっていて、それよりも高くても低くても必要な効果が得られない仕組みになっています。
とくに、市販薬は症状を緩和するために飲む(対症療法)ものなので、用法通りに飲んでも効かない場合は、きちんと医療機関で受診するようにしましょう。
1日3回など、薬を分けて飲むのはどうして?
市販薬の多くは、1日あたり2~3回に分けて飲む薬がほとんどです。
その理由は「体内の血中濃度をできるだけ一定にするため」です。
飲んでから4~8時間くらいしか効かない薬は1日3~4回に分けて飲む必要があり、24時間効いている薬なら1日1回だけでよいということになります。
最近は、飲み忘れる人が多いこともあり、長く効く薬が(1日1~2回服用)が増えています。
ちなみに、飲み忘れたとしても、次に2回分まとめて服用するのはNGです。